目覚めよ、女性性③
こんにちは、昨日は某飲み会で雰囲気(と少しの酒)に酔っ払ってしまった峠野です。
ここで各位に謝罪しておきます、五月蝿くてゴメンね。でもそこまで迷惑はかけてない(はず)ので、これくらいにしておきます。(そもそもその『各位』が読んでるかわかんないからな)
ハイ、というわけで。ために溜めたガールズバー体験入店の話の続きをね、もう前置きもなく話そうかなと思います。
あらすじも面倒なので、「テメーがさっさと更新しねえから忘れちまったよ」という方々はね、「目覚めよ、女性性①と②」を読みましょうね。
……とかいいつつ私もどこまで話したかわかんなくなっちゃった。トリ頭はこれだから困るね。ポンコツだなまったく。
ああ、お客さんが来た!!!!ってところから話せばいいのね、分かるオッケー任せろ。
全然客が来ないから流石に不安になってた時にね、その日のお客さん第一号かつ私のお客さん第一号がご来店。
あわわわわわわわわ来てしまったひええええええ〜〜〜〜!!!!!!!!
…さっきまでファイティングポーズとってて、しかも心の中で包丁振り回してた勇者が何を慌ててんだよ!!って感じなんですけど、いや、いざとなると無理。さっきのはアレです、練習モードみたいな。武器も何もない勇者にさ、武器一式くれたりしてさ、「ホラ、これが武器の使い方だよ、やってみなされ」って、なんか村の剣使いが教えてくれるやつあるじゃん。ゼルダの伝説とかそうじゃん。アレだったんですよ。
そりゃ相手は村の剣使いのおじいさんとか、練習用の人形とかだよ、チキンな勇者も包丁の1つや2つ振り回せるでしょ。だって奴ら襲って来ないじゃん。「てき が あらわれた!」つってBGMと画面切り替わったりしないじゃん。
でも本番だから。おじいさんったら「ホラお前もこれで立派な勇者じゃよ」って三種類くらいの武器の使い方教えただけで偉そうなこと言って村から追い出してくるから。
そんだけで戦えると思う!?私がさっき包丁振り回してたの、こっちに一切振り向きもしない男たちだよ!?言ってみれば私、通り魔だよ!!?そんなのが、面と向かって喋ってくる敵……男を倒せると思う!!??
無理だと思うだろ!!??
だからあわあわしてたんですよ。
あわあわしてたおかげで頭真っ白だから「いらっしゃいませ」も言えなくて。というか、「いらっしゃいませでええんかな、お帰りなさいとか、ようこそ!アンダーワールドへ!とか、そんな特殊な挨拶じゃないんかな」とくだらんことを考えてたせいで言えなくて。まあ普通にいらっしゃいませだったんですけど。
そんな私の横で、おしぼりだのコースターだの色々用意し始めるママとマリアさん。待ってくれ。ちょっと待ってくれな。さっき一通りの流れについて説明は受けたけどもな、流石にすぐ実践できないです、ちょっと展開が早いな、え、もうオーダー聞くの?え、何そんなの用意するの?え、それ何?伝票?
ってな感じでそれはもう目まぐるしく展開が進み、お客さんのお酒が用意されるまでものの数秒(※体感時間)。アレ、私イベントムービースキップしたっけ?
「峠野ちゃん、お客さんにつこっか」
怒涛の展開をあわあわして見つめるしかなかった私に、ママがボソリと呟きました。
超絶難聴で有名な私、実はこの時「峠野ちゃん」しか聞こえなくて頭の中「???」状態だったんすけど、目線と状況を素早く読んで脳内補完しました。ちなみに、超高校級の難聴ともなると、大事な局面での聞き間違いや聞きそびれは脳内補完で乗り切るのが当たり前になっているんですよ。知らなかったでしょ?
それはさておき、おわかりですか?そうです、とうとう私の攻撃のターンなんです!!!パーティー戦だからっつってレベルの高いママやマリアさんといった仲間の陰に隠れていたのだが、もはやそれも通じない状況になっちまったんです!!!
「よろしくお願いしま〜〜す………」
自信ないことがバレバレのトーンで挨拶。オイ!峠野!元気だけが取り柄じゃねえのかよ!!アントニオ猪木が飛んでくるぞ!!!
とりあえず笑顔だけは崩さずに、マリアさんとお客さんの会話を頷きながら聞くことに。
そしたら、
「好きなの飲んでいいよ」
とマリアさんと私を指差して言うのです。
エッ!!私ヘドバンのごとくずっと首振ってただけだよ!!??たまにワハハと笑い声という名の合いの手を入れる、いわば2人の会話を聞きにきたバンギャみたいなもんだよ!!???勇者ほっぽってライブ参戦しにきただけなのに、こんなのにお酒飲ませてくれるの!!??
そういえば初めて知ったんですけど、ガールズバーって女の子がお酒入れてくれて、お話するだけじゃないんですね。お客さんがお酒を女の子に振る舞うのが常識みたいな感じらしい。仕事中にお酒飲んで給料もらえるってすごいね、すごい世の中ですね。
「ありがとうございます!じゃあ私このボトルのお酒一緒に頂いちゃっていいですか?」
この世の中とお客さんの懐の大きさにポカーンとしてる私の横で、マリアさんが慣れた口調でお客さんのボトルのお酒を催促する。頼もしい仲間すぎる。私といえば勇者の攻撃のターンで「ヘドバン」をコマンド選択してるくらいなのに。お前コイキングかよ………
(ン?今書いてて気づいたけど、ボトルをさっさと空けさせるためにボトルのお酒を一緒に飲むのか?なるほどお客さんにとってもお店にとってもかなりの戦力だわ………)
「峠野ちゃんはどうする?」
マリアさんが聖母のような顔で微笑みながら聞いてきた。オオマリア……アーメン…じゃなくて、ヘドバンが通じない………だと…!?
じゃあコレしかないじゃないか………
「アッ私も同じので大丈夫です!」
でました、必殺「まねっこ」!ポンコツ勇者、さっき教えてもらった包丁の使い方の実践どころじゃない。言葉を発することで精一杯。ごめんね、おじいさん。
というか、同じので全然大丈夫じゃない。お客さんが飲んでるの、焼酎の水割り!こんにちは!私、普段はサワーや果実酒、ハイボールを嗜む程度の、お酒レベルも低い勇者!!
絶望!!!!!!
そんな私の気持ちとは裏腹に、マリアさんの手によって注がれる焼酎と水。
「ありがとうございます、いただきまーす!」
2人分のお酒を用意し終えて、マリアさんが意気揚々とお客さんのグラスに乾杯する。
ポンコツ勇者はまたもやまねっこをし、「ありがとうございます、いただきます」とマリアさんに続いた。
お酒はびっくりするほど美味しくなかった。酒レベルも上げなくてはならない、勇者はそう思った。
そこからもまた会話が進むのだけれど、このお客さん、明らかにレベルが違った。
普通の会話が通じないのだ。
どこかで相当飲んできたか、あるいは元々なのか。真相は分からないが、全く会話が通じない。
明らかにマリアさんも苦戦してるのがわかった。私もヘドバンだけでは飽き足らず、「コイツヤバイ」と心の中で呪文を何度も唱えていた。お前が一番やばいけどな、峠野。
だから正直何を話したか(聞いていたか)覚えてない。
勇者デビュー戦はヘドバンとまねっこ、この2つの攻撃をするに終わってしまった。全く包丁は振り回せなかった。ごめんね、おじいさん。私これから頑張って立派な勇者になるから。どんどん倒してみせるから。
この日はこの1人のお客さんの相手(はしていない)で24:00になってしまったので、ここで終わることになった。
体験入店はこれで終了したものの、それからもちょくちょくシフトに入っているので、またちょくちょくガールズバーの体験談をお話できたらいいなと思ってます。
ということで長々と引っ張ったガールズバー体験入店の話はこれにて閉幕!
オチは特にない!!!
お疲れ様でした!!!!!